コロナショックに思う 人へのリスペクトの重要性

新型コロナウィルスの影響で、外食産業や観光に関連する企業は、とてつもなく大きなダメージを受けています。

私の会社も飲食店のお客様が多いので売り上げが激減しています。

起業当時のような泣きそうな思いをしています。

社会的な不可抗力で叱責されてしまう

さて先日、ある食品製造会社の社長さんとお話ししていた時の事です。

この会社の社長さんは、私にとっては大恩人で、この方のおかげで今私の会社は存続していると言っても過言ではありません。
会社がある限り、一生をかけて恩返しして行かなければいけない方です。

その社長さんが、上司である会長(グループ会社のトップ)から、売上が大変苦戦しているからと、お叱りを受けたと言うんです。

私    「売上が悪すぎて本当にヤバイです・・・」

社長「いやー、俺も売上が悪くて会長からヤキ入ったよ」

私    「え???なんで社長が怒られるんですか???」

社長「社長だからしょうがないんじゃない?」

この方、大恩人だから持ち上げてるとかそう言う事じゃなくて、本当に優秀な方だと思います。
工場の脳となり心臓となり、年商10億円弱の製造をこなしています。

前前年度の営業利益は3,000万円超、前年度はさらにそれを超えたとか。

はっきり言って、この方がいないと工場は回らないし、この業績はあり得なかったはずです。

そして、業績が上がったからと言って、お給料が上がったわけでもなかったらしいんです。
まあ、元々が高給だから良しとされてしまったのかも知れませんが。

社長さん、さすがにやる気を失っていました。

「悪いけど、ここで後何年も社長はやってられないかもな」

私も居たたまれなくなってしまいました。

以前聞いた話では、今は高給をもらっているけど、数年前までは早朝から夜遅くまで、休日も月4回あるかないかで月給30万円程度だったそうです。

その状態から粉骨砕身働いて業績を上げた方に対し、社会的な現象による不可抗力によって、一時的に売り上げを落としてしまった事に対してここぞとばかりに叱責される。

私は何も、会長の事を悪く言ったり、愚痴を言うつもりはないんです。

確かにこの社長さんの事は、大恩人でもあるし、個人的にも大好きですし、同情してしまう部分はあります。
いなくなられては私の会社としてもとても痛いし、本当に困ると言うのもあります。

そう考えると、まったく不快感を感じない事もないです。

ただ、それはそれとして、ここから学ぶべき所をすごく感じました。

お弁当者さんで頑張る母娘従業員の話

ちょっと別の話をします。

3年ほど前、あるお弁当屋さんのお客さんがありました。

50歳前後くらいのお母さんと、20代半ばほどの娘さんの二人が働いていました。
経営は福祉系の会社がしていて、この親子は店長と従業員として雇われていました。

最初に私が飛び込みで営業に伺った時には、まだ二人は入社して半年くらいだったそうで、自分の会社が良い会社で、経営者も志のある若くて良い社長だと嬉しそうに話していました。

この親子は、会社が経営する福祉施設利用者に対して食事を作る係として入社しました。
そして、施設に販売スペースがあるので、ついでにそこでお弁当を外販すると言う形でした。

飛び込み営業の結果、お母さんの計らいでお取引をしていただける事になり、私はここに厨房用消耗品全般を販売させていただける事になりました。
お取引商品の中には、販売するお弁当の弁当容器もありました。

お取引開始から数か月経過すると、そのお弁当容器の使用量が、どんどん増えて行きました

販売が好調のようで、親子の頑張りが売り上げと言う形になって、目に見えて表れてきていたのです。

頑張る母娘が冷遇され始める

ところが、そこから半年ほど経った頃、雰囲気が変わって来たんです。

お母さんが私の前で社長の愚痴を言うようになったんです。

まず最初に聞いたのは、買い物の不便。

このお店には近所にスーパー等がありません。
だから食材の買い出しなんかがとても大変です。

だから私は、自分で提供できる食材をご提案し、知り合いの生鮮品業者を紹介したりして、少しでも負担が軽減されるようにお手伝いしました。

それでも買い出しは必要のようで、自転車で20分ほどかけてスーパーに買い出しに行っていたようです。
札幌ですから、冬なんかは本当に大変だったと思います。

そこでそれを社長に相談したらしいんです。
そうしたら、軽自動車が会社に1台あるらしく、それを与えてくれると言う事になったそうです。

それは良かったと思ったのですが、1ヶ月経ち、2か月経っても車は与えられません

ついにお母さんは、半ギレモードで社長に直談判したそうです。
いい加減車を使わせて下さいと。

社長の回答

「慈善事業じゃねーんだ、そんな経費のかかる事簡単に言うな!」

・・・びっくりしました。

そして母娘は退職

その1ヶ月ほど後、親子は退職してしまいました。

退職前、お母さんはこう仰っていました。

「おかもとさんごめんね。
 せっかく一生懸命やってくれたのに。

 新しい店長を募集するみたいだから、
 おかもとさんから買うように引き継ぎするからね。」

お気持ちはすごく嬉しかったけど、微妙な感じでした。

そして親子は居なくなりました。

新しい店長は募集されないまま・・・。

なぜ重要なポジションの従業員を冷遇するのか

前述の食品製造会社の社長とお弁当屋さんの親子、共通して思う事があります。

それは、
この人達がいないと、そのビジネスは成り立たないのに、なんでもっと大切にされないんだろう???

これが不思議で不思議で仕方ないです。

例えば最初の会長。
気持ちはよく分かるんです。

私も経営者の端くれですから、コロナウィルスで世の中が大変な事になっていて、売り上げが下がるのは仕方ない。
でも仕方ないと納得した所で、落とした利益は戻って来ません

経営者なら、場合によっては倒産の恐怖も感じるでしょう。だからそんな事を言い訳にされても困る。その気持ちは分かります。

でも・・・

親子が働いていた会社の社長も、もしかして経営者的にはお弁当屋さんは私が思うほどに儲かっていなかったのかも知れない
二人には扱いにくい問題点とかが何かあったのかも知れないです。

でも・・・

人に対するリスペクトの思い

当事者にしか分からない事情や前後の話はあるにせよ、それぞれ頑張って働いて、業績を上げている方たちです。

もっとリスペクトされ、大事にされて良いはずです。

実は儲かっていなかったり、利益が上がっていないのなら、それはビジネスの構造の問題であって、それは経営者の責任なのではないだろうか?と思うわけです。

私は今は従業員は身内だけです。
でもこれから計画通りビジネスを展開して行けば、従業員も増えて行く予定です。

こう言った一緒に頑張ってくれる方の事は、本当に大事にしようと思います。

人のふり見て我がふり直せと言うのは、あまり好きな言葉ではありませんが、そんな事を思った今日この頃。
あの親子は元気にされてるかな?と思い出したりした今日この頃でした。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする