起業してから利益が出るまでの計画的なビジョン構築法

私の仕事は、儲からないビジネスです。

分類としては卸売業に当たりますが、税法上のみなし仕入率と言うものが90%、つまり利益率10%と、全業種で一番安く設定されている事からも、その薄利ぶりが分かります。

※みなし仕入率とは
国税庁「No.6509 簡易課税制度の事業区分」

利益率が低いと経営は厳しい

みなし利益率10%と言っても、実際の利益率が10%と言う事はなく、私の会社の2019年度の利益率は、ありがたい事に26%くらいです。

同業でも大手になると、もっと利益率の高い所はあると思います。
上場企業もありますから。

ですが、私のように個人や数人のマイクロ会社になると、20%を切るのが当たり前のようです。

扱う商品に独自性や差別化がに乏しいので、他社との競合や、得意先からの交渉で、利益がとりづらいのが実情です。
薄利になってしまうのもよく分かります。

でも利益率が20%を切るのは本当に厳しい

ちなみに、利益率と言っても、経常利益や営業利益じゃありません。
売上総利益、つまり粗利益です。

ここから販売管理費やら何やらの経費が引かれていくわけです。

粗利率20%もなくてよくやってられるな・・・と、正直思ってしまいます。

起業1年目の低い利益率

かく言う私ですが、起業して1年目の粗利益率は17%くらいでした。

売上が1,100万円ちょっとですから、年間粗利益が200万円くらいです。
大赤字も良い所。

そして、2期目の粗利益率も18%強です。

2期目の売上は3,000万円弱でしたから、550万円くらいの粗利益。
経費や借入の返済金を引いたら何も残らないどころか、本当は全然足りません

この年は無理やり黒字にしましたけど、恥ずかしながら私の家庭は住民税非課税世帯でした。

起業1年目の利益を考えると、今の状態までよく持って来たなと、我ながら思ったりします。

いや、ちょっと自慢っぽくなってしまいましたが、今日は自画自賛を披露したいわけではないのです。

起業1年目から利益が出るまで

これは何の商売をやっても同じことだと思うのですが、起業をすると、「少しでも早く売り上げを上げたい」「たくさん売りたい」と思うあまり、安売りしちゃいがちです。

でも、これは絶対にやるべきではありません

私もご多分に漏れず、起業当初は安売りをしてしまいました。

前職の経験から、競合先がどの会社になるか、そこがどれくらいの相場観で値付けをしているか、なまじ分かっちゃっていたので、それより安くと思ってしまいました。

起業から2年が経った頃、本当に大後悔しました

その後、あの手この手で利益率改善を図る事になるのですが、これって、ものすごい難しい事なんです。

値段を下げるのは簡単ですが、上げるのはとても大変です

買う方の立場になれば分かりますよね。

それを実現するためには、こんな事をしなければいけません。

  • 値上げする
  • 仕入先を叩く
  • 安い商品の取り扱いをやめる
  • 商品を変える
  • 仕入先を変える
  • 儲からない得意先との取引をやめる

値上げをすると、お客さんから不信感を買う可能性があります。

仕入先を叩いたら、仕入先の協力度が下がります

安い商品をやめたら、困るお客さんもいます。

商品を変えるのは、仕入先の切り替えにもつながってしまいます

仕入先を変えると言っても、非協力的な所以外は変えづらいし変えるべきではありません

得意先を切るのは、私のような業者相手の仕事なら簡単ですが、店舗商売の場合は難しいし勇気がいります

どれも大変過酷な事です。

利益率が低いと悪い客ばかり呼ぶ

利益率の改善は大変な作業です。
なので、できれば最初から安売りはするべきじゃないです。

安売りは利益率を下げて自分を苦しめるだけではなく、もっと悪い事態を引き起こします。

安物を求めるお客さんと言うのは、当たり前ですが、他に安い同業者があれば、すぐにそっちに乗り換えます

そしてそう言う人は、自分が得すれば良いと言う、根本的な思考の持ち主が多いです。
言い換えると、自分さえ良ければそれで良い人です。

ただでさえ定着しづらい客なのに、わがままやクレームを容赦なくぶつけてきます

疲れます。

そんな事もあって、私はお客さんが価格だけで他社に乗り換えた場合、その後は相手にしないようにしています。

価格の相談があったけどこちらが対応できなくて、やむにやまれず・・・と言う場合は別です。

あっちの方が安かったから買っちゃった♪

とか平気で言う人には、笑顔で

そうですか♪

とか何とか言ってフェードアウトするようにしています。

追いかけるだけ時間と労力の無駄なので。

起業当初1年目から利益が出るまでの計画

ああ

以上の事を踏まえると、起業当初から、しっかり利益を取れる計画を立てておいた方が良いです。

かと言って、闇雲に高い価格を設定しておけば良いかと言うと、もちろんそれも違います。
それではお客さんが付きませんから。

ではどうするか?

業種によっても違いはあるでしょうが、考え方としては以下のような感じで良いのではないでしょうか。

  • 安売りするのは目玉商品だけにして、全体的には利益が取れる価格設定にしておく
  • 一度つながったお客さんには、しっかりと商品や自分(お店)の価値を伝える
  • 優良なリピーターは、それはもうしこたま大切にする

利益度外視の目玉商品の安売り

矛盾するようですが、安売りも時には大事です。

なぜかと言うと、高い業者やお店を最初から好んで使う人はいないからです。

新規客を捕まえるには、基本的には安売りも大事です。

だけど、全部を安くしてしまうと、私のような苦労を経験する事になります。

一番分かりやすいのは、スーパーの卵とかの超安売りです。

卵大安売りのチラシに釣られてお店に行って、卵だけ買って帰る人はあまりいません。

卵を買える条件が、1000円以上お買い物した方限定の場合とかもあります。

そして、他の商品は利益が取れる価格にしておく。

あくまでも、安売りの卵は客引きのため。新規客を来店させたり、接触する機会を作るためのものです。

自分・会社・お店・商品の価値をしっかりと伝える

目玉商品で自社やお店に興味を持ってくれた方には、同時に商品や自分の価値をしっかりと伝えます

例えば物販であれば、卵みたいな目玉商品を打ち出して見込み客を作り、その客に今後は商品ではなくお店や自分を売り込んで、他の商品の取引に拡大していく
もちろん利益はしっかりと取りながら。

例えば飲食店やサービス業なら、目玉メニューで集客して、お店に来てみたらもっとおいしい物、良いサービスを用意しておいて提案する。
もしくは、トッピングやオプションサービスで単価を上げる。

こうする事で、安いと思ってつながったお客さんが、値段じゃなくて自社の価値を買ってくれるようになります。

優良なリピーターはしこたま大切にする

こうしてできたお客さんは、値段ももちろん大切だけどそれは二の次、あなたの会社やお店が好きで取引してくれるようになります。

そうなると、値段の事をうるさく言ってきたりはしなくなります。

みんなあなたの事を思ってくれるお客さんですから、仕事が楽しくなります

ありがたい気持ちでビジネス経営できるようになります。

まとめ

私の会社の得意先には今、私が嫌いなお客さんはいません。

私が嫌いなお客さんは、向こうも私が嫌いのようで、取引がなくなっています。

気が付けば今残っているお客さんは、私の事を気遣ってくれる方ばかりになっています。

これは完全に結果論なのですが、ここまで来るのには、確かに上記でお話ししたようなな流れになっていました。

  • 安売りするのは目玉商品だけにして、全体的には利益が取れる価格設定にしておく
  • 一度つながったお客さんには、しっかりと商品や自分(お店)の価値を伝える
  • 優良なリピーターは、それはもうしこたま大切にする

私は起業当初の滑り出しには失敗しましたが、これを最初から計画しておくと、起業1年目から良い流れで売上も利益も推移していくのではないかと思います。

ぜひ参考にしてみて下さい。

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