起業に失敗して700万の借金を背負った二人

突然ある方々の事を思い出しました。

起業する前のセミナーで会った方と、その友人の方のお話です。

ご本人達のイニシャルとは全然関係ありませんが、仮にKさんとTさんとします。

起業セミナーで出会った何人かの方々

私が起業セミナーで会った方はKさんです。

セミナー終了後に、せっかくなので交流を持ちましょうと言う事で、何人かの方と休憩所みたいな所で話し込んでいました。

その中にいたのがKさんでした。

聞くと、飲食店を開こうとしているとの事。

当時はイタリアンのレストランで勤務していました。

この時にお会いした方々は、すでに事業を開業している方もいましたが、ほとんどが「〇〇をやろうと思っている」程度の、プランとしてはまだまだ具体的ではないような方々でした。

Kさんもその一人。

おそらく、Kさんの起業が実現するのはまだまだ先だろうし、もしかして実現すらしないかも知れないと、この時は思っていました。

私とほぼ同時期に起業実現

ところがその数ヶ月後、私が開業したのとほぼ当時くらいに、Kさんから、「オープンしました!」と言う案内の連絡が届きました。

驚いたのと同時に、同じ時期に同じセミナーを受けた仲間の起業が実現した事が、少しうれしく思ったりもしていました。

私の顧客層である飲食店とは言え、場所が営業に行けるエリアでもなかったのと、当時は私も開業したてで余裕がなかったので、開店のお祝いだけを送って、特に食べに行ったりもせずにいました。

でもやっぱり気にはなるので、Facebookを逐一チェックしていました。

見ると、どうやら相棒であるお友達と一緒にオープンしたようでした。

それがTさんです。

なので、私はTさんとは直接面識はありません。

厳しい事業経営の中でも気になる他の起業家の動向

その後、私の会社は日に日に厳しくなって行き、人の事を気にしている場合ではなくなってきたので、KさんとTさんの事を気にかける事もなくなっていました。

それからしばらく経った頃、突然Kさんを思い出し、Facebookを見てみました。

すると、3か月ほど前に、Tさんがお店を辞め、札幌の繁華街すすきのに自分のお店をオープンさせていました。

その後のKさんの投稿は、いかにも事業の調子が悪そうな雰囲気がひしひしと伝わってくるような内容のオンパレードでした。

この時二人の間に何があったのか、私は知りません。

元々Tさんは独立するつもりで、Kさんのお店には腰掛け的に勤務していたのか。
思いのほか儲からなくて、安月給に耐えられず辞めてしまったのか。
単純に揉めたのか。

でも、少なくとも揉めたわけではないという事は、この後はっきりわかりました。

そしてついに閉店 起業失敗による借金は結構な額に

そして私がKさんのFacebookをチェックし始めてから間もなく、ついにKさんはお店を閉店してしまいました

オープンから1年ほどでの閉店です。

これは起業失敗と言わざるを得ないでしょう。

下世話な話ですが、私が一番最初に気になったのは、Kさんの負債状況でした。

と言うのも、起業セミナーの後のやり取りで、本格的なイタリアンレストランにはピザを焼く窯が必要で、おいしいピザを作ろうと思ったら、結構な値段がする事。
そしてKさんはピザにこだわりを持っている事を聞いていました。

ざっくり私なりに試算すると、おそらくKさんがお店を開くのに、軽く700万円以上はかかったのではないかと思います。

失敗したら大変な借金を背負う事になります。

それがとても心配と言うか、気になっていました。

いずれにしても、ここに一人の起業が失敗に終わり、大変な額の借金を背負ってしまった事は、間違いのない事実となってしまいました。

また一人起業に失敗して借金を背負う事に

驚いたことに、その後どうやらKさんは、Tさんのお店に就職したようでした。

仲は変わらず良かったようで、揉めたわけではないと言う事が分かりました。

当時、相変わらず人の事を気にしている場合ではない私は、いつしかまた二人の事をチェックする事はなくなっていました。

それから1年ほどが経った頃でしょうか。
またいきなり思い出して、KさんのFacebookをチェックしてみました。

すると、Tさんのお店も閉店していました。

閉店はKさんが入って半年後くらいの事でした。

Tさんのお店はすすきのです。

札幌で一番の、もちろん北海道でも一番の、そして日本でも有数の繁華街です。

物件取得費だけで、どう安く見積もっても200~300万円はかかるのではないでしょうか。

おそらく費用としてはKさんのお店と同じ700万円程度かそれ以上でしょう。

こちらも大変な借金を背負う事になったのではないかと思われます。

起業に失敗した事を美談のように語る

私が何よりも痛々しく思ったのは、閉店直後の二人の投稿でした。

Kさん
○○(Kさんのお店)オープンから1年半。
一緒に突っ走ってくれたTに感謝。
今まで本当にありがとう!

Tさん
Kがいなかったらここまで来れなかったよ。
Kと駆け抜けた時間は俺の宝物だよ!

表現は全然違ったと思いますが、こんな感じのやり取りが書き込まれていました。

起業に失敗して450万円以上の借金を背負った経験を持つ私は、思わず突っ込まずにはいられませんでした。

いやいやいやいや!
そんな格好良さげに締めくくってる場合じゃないから!!

気持ちは分かります。

どこからどう見ても二人は起業に失敗してしまいました。

起業に失敗するのは体裁の良い事ではありません。
いや、はっきり言ってブサイクです。

恥ずかしさも当然あります。

私自身、起業失敗の過去は、人生の中でもひと際強烈なインパクトを放つ黒歴史です。

それを美談に仕立てる事で、世間体を少しでも和らげていたのでしょう。

でも現実問題、二人に残されたのは黒歴史と多額の借金です。

しかもその借金は、まったく何物も生み出す事のない不毛なものです。

それを早くて数年。おそらくこの状況を考えると、リスケ(返済期間変更)をしながら10年以上かけて返済する事になるでしょう。

起業に失敗すると再起はほぼ不可能

このブログのテーマにしている通り、私は起業に失敗して、その後もう一度起業しました。

私の場合は、大きく2点について、かなり条件が良かったケースだと思っています。

まず1点が、私が最初の起業に失敗したのは、20代半ばの比較的若い時だった事

そしてもう1点が、就職した会社がその後東証一部上場企業に成長し、給料がそれなりに良かった事です。

給料が良かったので、抱えた借金を返済できました。

そして若かったので、借金を返した後、再挑戦のためのお金を貯めつつ勉強する時間がありました。

それでも15年かかりました

今回お話ししたKさんとTさん、彼らはこの時点で30代半ばです。

そして働いている業界は飲食業界。
一般的には給料は良くない業界です。

年齢を考えると、今後転職して他の業界で稼ぐのも厳しいでしょう。

ざっくりの予測ですが、今後リスケが上手く行ったとしても月に3~4万程度、そのまま行くと月10万円近くの、不毛な借金の返済に追われる事になります。

ただでさえ多くはないであろう給料から、これだけ持って行かれてしまうのです。

当面は、同僚や友達よりも、はるかに質素な生活を強いられてしまいます。

再度起業するための貯蓄は、かなり難しいでしょう。

起業は絶対失敗するわけには行かない

残酷なようですが、これが起業失敗の現実です。

だからこそ、一度起業を決意したのなら、絶対に失敗は許されないのです。

起業をするにあたり、自分の夢や理想を形にするのは、もちろんとても素晴らしい事です。

だけど、それよりも何よりも、まずはどの仕事ならば自分は生き残れるのか
そしてどうやれば生き残れるのか

それを第一優先に計画を立てるべきではないでしょうか。

まずは失敗しない事。
生き残る事。

それが何よりも大切だと言う事が、今回お話したKさんとTさんの事例からも、ご理解いただけるのではないでしょうか。

もちろん私は、KさんとTさんを馬鹿にしたり、彼らの名誉をいたずらに貶めるつもりはありません。
ただ、起業を目指すあなたには、実例として学び、同じ轍を踏まないでいただきたいです。

今後のKさんとTさんの人生が、少しでも良いものになる事、そして彼らと同じような道を歩む方が一人でも少なくなる事を、心から願うばかりです。

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