起業時の運転資金の目安とは?

今回、新型コロナウィルス感染対策特別貸付を、日本政策金融公庫に申し込みました。

この2月と3月の売上の爆下げ状況を基に、資金繰りを試算してみたところ、このままの状況が続いて、夏にも年末にも繁忙期が来なかったとしたら、1年後には資金がショートする可能性がある事が分かったのです。

精神的に安心するためにも、早めに手を打っておこうと言う事で、申し込んでみました。

起業の際に用意すべき運転資金の目安

ところで、起業に当たっては、こんな言葉を聞いた事はありませんか?

最悪6ヶ月売上がなくても大丈夫なくらい運転資金を用意した方が良い

新規事業が軌道に乗るまで、もしくは先行きが見えるまで、おおよそ半年かかる事を想定してのものだと思います。

それまでの間は売上が例え0円だったとしても、6ヶ月間の固定費は払えるくらいの運転資金を持って開業しよう、と言うものです。

ただ、私は個人的には、この言葉がいまいちしっくり来ません。

なぜかと言うと、2点あります。

1・その間の変動費はどう見るのか

2・6ヶ月売上0円はあり得ない

起業後6か月の変動費はどう見るのか

事業に係る経費は大きく分けて2つに分けられるのはご存知でしょう。

一つが固定費と、もう一つが変動費

固定費とは、売上の有無に関わらず発生する費用で、具体的には以下のようなものが該当します。

・地代家賃
・人件費
・水道光熱費
・通信費
・広告宣伝費

そして変動費とは、固定費とは逆に売上の有無や増減によって変化する費用の事で、主な例としては以下のようなものでしょうか。

・売上原価
・原材料費
・消耗品費

では6ヶ月の運転資金を用意しようと考えたとします。

実際は、営業していれば必ず売上は発生します。

固定費だけ6ヶ月分を用意しても、他に変動費がかかってきます

そして多くの場合、その費用はお金が入ってくるよりも先に必要になります。

例えば小売店で商品を販売しようにも、まず在庫が必要になります。

そして、その在庫を仕入れる際、立ち上げたばかりの企業相手の場合、ほとんどが現金先払いでの取引条件になります。

そして、商品を売った代金はと言うと、企業相手の場合は入金が1ヶ月後と言う事もざらにあります。

仮に、70万円の商品を仕入れて、100万円で売ったとします。
それを毎月の取引で契約したとします。
毎月30万円も儲かってしまいます。

取引条件は以下の通り

仕入:現金払い
販売:翌月入金
納品:受注後即納品

この条件で販売した場合、どう言う事になるかと言うと、図で表すとこうなります。

最初に在庫を抱えなければいけませんので、前月に仕入れておきます。
そして、仕入が先払いなので、常に先に支払います。

毎月30万円ずつ利益が出て、利益が積み上がる話のはずなのに、販売開始の1月には資金が140万円減っています。

4月には利益が120万円まで積み上がっているはずなのに資金は50万円減っています。

この状況に加えて、固定費分の資金が毎月減って行きますので、この4月あたりで、6ヶ月待たずに資金ショートを起こす可能性もあるわけです。

この事を考慮せず、とにかく売れば良いと何も考えずにやっていると、死ぬ思いをします。

ちなみに、この表は私の実際のケースです。

私は起業当初この事をよく知らず、売上不振から抜け出そうと、売上第一で売りまくっていたら、逆に資金の減少が加速して死にかけた経験者です。

6ヶ月売上0円はあり得ない

6ヶ月分の運転資金を用意するとして、例えば固定費が月間30万円必要で、自分の生活費が30万円必要とすると、

月60万円×6ヶ月=360万円

この金額を用意しないといけないのかと言う話です。

事業を新規で立ち上げて、設備資金等の開業費の他にこれだけの資金を用意すると言うのは、なかなかハードルが高いのではないでしょうか。

ただ現実的には、事業を立ち上げて営業をしていて6ヶ月売上0円と言う事は、普通に考えるとあり得ないわけです。

もしそんな事があったなら、それこそ、その事業は一日も早く畳んだ方が良いです。

なので、現実的な資金計画を立てて、そのうえで必要な資金を用意するようにすれば良いのではないでしょうか。

資金繰り計画を立ててみる

私は起業前、事業計画書の中に、資金繰り計画表を作成していました。

数字は適当に変更しています。

こんなややこしい表を作成しておきながら、資金繰りで死にそうな思いをすると言う、何ともお恥ずかしい有様です。

新型コロナ貸付を検討するにあたり、今回の私の場合は、売上が激減した2~3月の状況がずっと続いた場合の金額を入れてみました。

その結果が、冒頭お話しした、1年後くらいに危険な時期が来る可能性があると言うものでした。

起業の際には、ここに開業後の最悪のケースを想定した数字を入れてみると良いと思います。

最悪のケースと言っても、売上は0円ではないでしょう。

例えば、飲食店を開業したとしたなら、友達や親戚や前勤務先の同僚達が、当面は応援のために来てくれるでしょう。
それが何人くらいいるのか。

例えば、開店前にチラシを撒いたとします。
チラシの反応率は、業種やチラシの出来栄えにもよりますが、0.01~0.3%だそうです。
でも飲食店は反応が高いようで、0.3%くらいと言われているので、0.1%くらいで見てみるとか。

自分の考えている施策が、最悪でどれくらいのお客さんを呼べるのか、それを考えて試算してみます。

そうして導き出された6ヶ月の必要資金を開業資金として計画します。

その金額が、現実的な6ヶ月分の運転資金と言う事になるのではないでしょうか。

ただ、いずれにしても、資金はあってあり過ぎる事はないです。

可能なだけ、借りれるだけ借りておきましょう。

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